ポルトガル建築旅行
更新日:2014年11月26日
2008年の12月にポルトガルを旅しました。
以前から好きなアルヴァロ・シザ氏の建築を見るため。
90年代に事務所勤めの時に目にしていたスペインの建築雑誌。そこに掲
載されていた白い建築にうっとり。外観はシンプルさとユーモアのある
デザインが美しくもあり可愛くもあり、是非に氏の建築を見てみたいと
その機会をねらっていました。
2008年にそのチャンスが訪れ、シーズンオフの12月のクリスマス前に行
くことが出来ました。
成田からパリのシャルルドゴールへ行き、乗り換えてポルトガル、リスボ
ンのポルテラ空港へ。
クリスマスが近いので飾り付けが綺麗です。
この日は夜遅く到着。
アイルトン・セナ似のタクシードライバーさんに運転してもらってホテルへ直行。
ネットで見つけたホテル。「建物の夜景が綺麗だった」という理由でここに宿泊。
落ち着いた小さなホテルです。
リスボンと言えば黄色い路面電車です。
狭い路地をぎりぎりで走ってくるところは、我が地元の江ノ電とイメージが重なります。
ポルトガルにかぎらずですが、欧州の歩道は大理石のピンコロ敷き詰めが多く、この模様をよく見ます。
ポルトガルの街
港街の大らかさが国全体に行き渡っているように思いました。
エヴォラは城郭都市で、城壁の外にバスターミナルがあります。
写真はバスターミナルの待合所
マラゲイラの集合住宅(設計アルヴァロ・シザ氏)
エヴォラの城郭都市からのちょっと離れた(徒歩20分ほどか)にマラゲイラの集合住宅があります。
1977年竣工の低層集合住宅(いわゆるテラスハウス)で全1200戸ほどの規模です。
上下水インフラを整備し、店舗、教会、レストランなど、ひととおりの施設を備えた小さな街といったつくりです。徒歩でバスターミナルから行くと、写真のように池を渡って街に入っている感じです。
外壁は白く塗装されていますが、住まい手によって部分的に色を付けることが許されているようです。
ガレージの棟はシャッターがすべて緑色に塗られていますが、緑の度合いはみなそれぞれ違います。
そこが綺麗に見えるポイント。
屋上から見下ろす犬。
ポルトガルは野良犬が多いですが、野良猫は見かけません。
リスボンベースでの見学地を廻ったあとは新幹線みないな列車でポルトへ移動しました。
車内がアンバー照明でとても落ち着きます。
日本の新幹線は明るすぎるなあといつも思います。
ポルトでの宿です。
星は沢山無くとも、快適で素敵なホテルです。
ポウサの集合住宅。(設計アルヴァロ・シザ氏)
地下鉄のラバという駅の真裏にあります。
地上駅ですが、駅前と言った感じはなく、ひっそりとしています。
カーサ・デ・ムジカ(設計レム・コールハース氏) へ。
サークル状のポアヴィスタ庭園に隣接してありました。
内部は共用部は公開していました。
撮影もOKとの事でした。
ホワイエのカフェが営業していたので、エスプレッソを飲みました。
ポアヴィスタ庭園をぐるりと廻ると市場が。
市場も凝ったデザインで、中に吸い込まれます。
お目当てのポルト大学建築学部校舎(設計アルヴァロ・シザ氏)に徒歩で到着。
この日はクリスマス休暇に入っている時期なので学生達はいなく、静かな時間が流れていました。
さらに歩いてポルト近代美術館(設計アルヴァロ・シザ氏)へ。
壁に映る木々の影の演出がすばらしい。
宿に帰って、ポルトの夜の町へ。
クリスマスの電飾飾りが綺麗です。
ポサーダ デ アマレス-サンタマリア ドゥ ボウロア
翌朝、ポルトの町からブラガ校外のテレイロへ移動。
今回の旅の目玉のひとつ、アルヴァロ・シザ氏のお弟子さんにあたるソート・デ・モーラ氏が改修したサンタマリア・ド・ポウロ修道院に宿泊です。
2泊しましたが、とても良い空間です。
宿泊室
壁の絵を開くと裏が冷蔵庫になっています。
ポルトガルのスパークリングのロゼワイン、MATEUSの小瓶が入っていましたので、美味しく頂きました。
談話室
宿泊したのは12月ですが、平日ということもあり、我々の他に宿泊者は一組しか見かけませんでした。
観光客がぱらぱらと来ます。
地元のボランティア学生が英語を交えて案内してくれました。
ポルト市街地のサン・ベント駅から幹線のカンパーニャ駅に出て、アべイロ駅へ電車で向かいます。
アベイロ駅で下車して、アヴェイロ大学へシザ氏の図書館などを見に下車。
アヴェイロ大学図書館(設計アルヴァロ・シザ氏)
残念ながら内部は撮影不可と言うことで、見学のみさせていただきました。
職員の男性にソートデモーラ氏が設計した棟を聞いたところ、同行して案内してくれました。
ポルトガルの人はみな親切です。
リスボンのオリエンテ駅(設計カラトラヴァ氏)
リスボンに戻り、オリエンテ駅近くのホテルに泊まりました。
オリエンテ駅はカラトラヴァ氏の設計で、夜景の美しさは絶品です。
スリが多いのが玉に瑕の駅ですので、集団スリにご用心を。
ポルトガル館(設計 アルヴァロ・シザ氏+共同設計ソウト・デ・モウラ氏)
リスボン万博の時(98年)に竣工したポルトガル館です。
シザ氏とソウトデモウラ氏の共同設計とのことですが、私の早川邦彦建築研究室の先輩、戸室太一氏がこの物件に担当としてたずさわっていたと、最近知りました。
夜景の様子は建築雑誌で見ていた迫力と違って、幻想的な空間を作り出していました。
ポルトガルの旅も終わり。リスボンからパリのドゴール空港へもどり、日本行きに乗り換えです。
12月のクリスマス前で綺麗に飾り付けが行われていました。
警察官も楽しげで、記念撮影をしてくれました。
マラゲイラ集住地図
マラゲイラの集合住宅も良いですが、隣接するエヴォラの城郭都市がとても良いです。
電車の駅よりもバスのターミナルの方がだいぶ近いので、リスボンから行くにはバスが便利。
1サン・ベント駅
2ポウサの集合住宅
3ウイリーシアター
4市場
5ポルト大学建築学部
6ポルト近代美術館
名称は通称かもしれません。
サン・ベント駅近くの宿から番号順に歩いて廻りましたが、かなりヘロヘロでした。
最後の近代美術館からは美術館の入り口前のバス亭からサンベント駅バスへ戻りました。
ポルトガル建築巡礼の若人に地図が役立つと嬉しいです。