コラム

スイス建築旅行

更新日:2016年1月3日

チューリッヒへ012016年3月4日追記

2010年に行ったスイスを廻る建築見学旅行の様子を少しずつアップします。
写真は成田発チューリッヒ行きのスイスエアーからの景色。
春先の頃で、まだ冬の景色を見ながら出発でした。

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チューリッヒ空港に到着。
ターミナルはAとBとEがありましたが行きも帰りもEでした。
飛行機を降りると、赤い壁の真ん中のエスカレータで地下へおります。
写真は空港内専用電車のホーム。ここから空港の中心へ向かう仕組み。

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チューリッヒにつくとすぐにトラムに乗り込みカラトラヴァ氏設計のスターデルホッフェ
ン駅へ向かいました。
写真はトラムをおりるとすぐ見える駅の外観。コンクリートの歩道橋が顔になっています。

カラトラヴァ氏はチューリッヒのスイス連邦工業大学で学んだ建築家で、ヨーロッパで活
躍するスター建築家です。

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彼の設計したポルトガルのリスボン駅も見ましたが、コンクリートとスチールのデザインは
生物を思わせる独特のもので、すばらしいです。

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スイスの鉄道地図。
日本で「スイスパス」という鉄道の乗り放題キップを購入して行きました。
スイスの鉄道の時刻表はWEBで公開されていますので、行く前にスケジュールに沿って
乗る駅、乗るホーム番号、列車などを事前に調べておけます。
パスで2等車は自由に乗れますので、どこへでも行ける感じです。

スイス時刻表検索
http://www.sbb.ch/

チューリッヒ空港に到着日は1泊して翌日朝、ピーター・ズントー氏設計のローマ遺跡
発掘シェルターがあるクールという町を目指します。(地図の矢印の町)

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Zurich HBを8時12分、5番ホーム発 Chur到着が9時43分の距離感です。
クールの駅の観光案内所で町の地図とローマ遺跡発掘シェルターの位置を聞き、現地の
鍵を借りました。(パスポートか2スイスフランをデポジットとしてあずけ鍵と交換)
町の中を綺麗な赤い列車がゆっくりと走っています。路面電車でなくて普通の列車です。

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駅から歩いて15分程度、ピーター・ズントー氏設計のローマ遺跡発掘シェルターが見えてき
ました。レガシーも停まってますし、まわりの雰囲気は日本のどこか地方都市のようです。

チューリッヒへ12

発掘シェルターの入り口前の看板です。

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外壁は木製のルーバーで、内外の空気はつながっています。
木の使い方が日本に似ています。

チューリッヒへ14

駅の観光案内所で借りた鍵でドアを開けます。

チューリッヒへ15

内部はブリッジ状の廊下が2棟を貫いています。
天井には大きな天窓が2つ。
雪空でしたた、十分な自然光が入っています。

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外に向かってガラスFIXの窓があり、スイッチがついたポールが生えています。
ボタンを押すと、内部で照明が点灯し大きなガラス窓から内部を覗ける仕組みです。

チューリッヒへ17

ローマ発掘シェルターで知り合った日本人建築君に教えてもらった「クール美術館」へ。
この連絡橋は雑誌で見て知っていましたが、発掘シェルターの近くにあるとはしらず、
ノーマークでした。

チューリッヒへ18

スチール製かと思いきや、木造で、それをシルバーに塗装してあります。

チューリッヒへ19

柱足元。スチールプレートの上に柱が直接乗っています。

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絵になります。

ヴァルスへの地図

クールの町からイランツまで電車で移動します。クールからは40分程度の距離です。
(地図の赤印)
イランツでバスに乗り換え、ピーター・ズントー設計のヴァルスの温泉施設を目指します。

ヴァルス01

イランツへ到着。バスターミナルからヴァルス行きのバスへ乗り換え。
27番のバスがヴァルスを通るバスでした。
(写真はヴァルスから帰ってきたイランツでの写真・行きと場所が違います)

ヴァルス02

ヴァエルスは山奥の温泉街といった感じで、乗客はお年寄りや少々の家族づれなどで
40%乗車といったところ。
道路は箱根の旧道といった感じで狭いです。バスの車窓から谷底が見えます。

ヴァルス03

ヴァルスのバス停に到着(写真はイランツ行き方向)
終点ではないので、降りるかどうかの判断にとまどいます。

ヴァルス04

時刻表です。まあ1時間に1本ありますのでこまりません。
イランツからヴァルスまでは35分のバスの旅でした。

ヴァルス06

バス停を降りると、宿泊する建物が見えます。
白い外壁にブルーグレーの軒天井。
ベランダには硝子の隔て板とカラフルなオーニングが見えます。

ヴァルス07

目的の建築が見えます!

ヴァルス08

こちらはフロントでくれる館内案内図。
フロントのある建物は一番奥で、手前中央の建物に玄関口だけあり、そこからエレ
ベーター、渡り廊下を経てフロントへ到着します。(×が書いてあるところがフロント)
バス亭は案内図の下側です。ほとんど自家用車で来る人のためのレイアウトで、バス
で来る人は少ないようです。

ヴァルス09

ズントー氏設計のスパ棟です。
地中の渡り廊下で宿泊棟とつながっていますが、外観ならこのように遊歩道であがれます。

ヴァルス10

斜面に近い大きなFIX窓からは内部の休憩スペースが見えます。
歩いた限り、屋外プールの部分や内部の温泉プール部分は外からは見えないように巧みな
設計がなされています。
宿泊者は内部に入れますので、後に入ったところ、このfix窓から中をのぞき込む建築探
訪の若者達がたくさん見受けられました。

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スパ棟内部は写真を撮れる雰囲気ではありませんので、エルクロッキーの写真でどうぞ。

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こちらは建物中腹のエントランス。無人の出入り口でホテル裏口といった感じです。
エレベーターへ乗ってフロントへ。

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館内の廊下。ブリッジを渡ってフロント等へつながる部分です。

ヴァルス15

ピーターズントー氏がデザインした宿泊室に泊まりました。黄色い枠取りが印象的です。
200号室に宿泊しました。

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室内は全部黄色。
ズントー氏の建築デザインとはずいぶん毛色がちがってびっくりしました。
ベッドはピンク!

ヴァルス17

シンプルなデスクにウエルカムドリンクのミネラルウオーターがあります。
このボトルのロゴはここへ来る道筋に工場のあるメーカーさんの物でした。

ヴァルス18

ボーズのオーディオセットで地元のラジオも聴けます。
ちなみに備え付けCDが1枚すでに入っています。

ヴァルス19

シャワーコーナーの様子。
床は大理石で水勾配が少しついていて、排水溝は壁と床の取り合いに狭い隙
間があり、そこから水が消えていきます。
右に小さな正方形の開口があり外部が見えます。アクリルがはいっています。

スイスにはほとんど入浴できる浴槽のあるホテルはないようで、ここも同じ
です。まあ、ここの場合は大きなスパ施設があるのでそちらにどうぞという
事でしょう。

ヴァルス20

トイレの中は焦げ茶です。

ヴァルス21

ベランダからはスパ棟が見下ろせます。

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こちらは夜のディナーで予約した「レッドレストラン」レストランは2つあり、カジュ
アルなレストランとこのレッドレストランがあるそうです。
スパ棟の屋上のレベルにあり、スパの天井に走るスリット天窓のディテールが見えます。

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ヴァルス24

ヴァルス25
こちらはフロント横のロビーの様子。

00jpg
さあ、イランツから首都ベルンへ移動です。地図の矢印の方向へ鉄道で移動です。
しかし、この時は3月。雪の中の鉄道移動です。
まっとうな人は高速鉄道での移動をしますので、一端チューリッヒへ戻ってベルンへ移
動するのがお勧めです。
しかし、我々は在来線で右回りで最短ルートを目指します。

氷河特急00
線路の廻りは真っ白で、スキー場の中を進む事もあります。

氷河特急01
冬の新潟のような景色・・・

氷河特急02
石川ごのみの可愛い教会を発見

氷河特急03
途中の駅での電車を乗り継ぎの時に、氷河特急が停まっていました。
珍しげに見ていると、車掌さんが「パスに追加費用払えば乗れますと」と上手いお誘い!

氷河特急04
鉄郎+メーテルのようにガラガラの特急に乗車。冬に観光客はいませんね。
快適な貸し切り状態。

氷河特急05
日本語メニューもあるオーダー表でオーダーできます。
「私はレア、そう、鉄郎はミディアム」といった感じです。

氷河特急07
石川淳ブリーク駅にて。

00jpg
地図のように北上。ブリークから電車を乗り継いで首都ベルンへ通勤列車風の物に乗り換えて向かいます。

ベルン01
写真はベルン駅の外観です。設計は「アトリエ5」
今回スイスへ来て是非見学したかったのは、ヘルツォーク&ド・ムーロンやピーター・ズントーなどはもちろんですが大本命はなんといってもアトリエ5の作品郡です。
このベルン駅もアトリエ5の設計です。

ベルン02
駅の中は吹き抜けていて、地下の最下層に駅のホームがあります。上層は商店が入っていて、天井は天窓で自然光がそそぎます。

ベルン03
ここでもキティちゃんを発見。どこの国でも見かける日本のスターですね。

ベルン04
駅のディテールに感心しながら宿へ歩きました。

ベルン05
駅前のトラムのターミナルもガラスキャノピーで綺麗です。

ベルン06
有名な時計台

ベルン07
世界遺産の町ベルンは川に囲まれた小さな区域ですので、歩いて概ね廻れます。

ベルン08
この回廊を歩いていると、ローマ遺跡発掘シェルターで居合わせた日本人の建築探訪君と偶然再会。びっくりしました。もう一度どこかで再開したら食事を誘おうと思いましたが、さすがにもう会えませんでした。

ベルン09

ベルン10
町のシンボルは「熊」

ベルン11
橋の下には・・・

ベルン12
熊園です。

ベルン13
シンプルで素敵なホテルに宿泊。
窓が中庭に面していますが、窓の外は天窓が掛かったアトリウムのようでした。浴室とトイレは廊下に出て入る共同式で少々不安でしたが慣れると全く問題なし。スイスは浴槽の無いホテルが多いですし、バーゼルの時計と宝飾のイベントと重なった時期に行ったため宿の確保がなかなか出来ませんでした。特にバーゼルは取れません。星の一杯付いた大きなホテルより、町中にあるちょっと古いホテルが好きです。

ハーレン00
いよいよ今回のスイス建築旅行の一番の見所(といっても私的な見所ですが・・・)のハーレンの集合住宅を見に行きます。
アトリエ5のハーレンの集合住宅はベルン駅の裏のバスターミナルからバスで15分ほどの位置にあります。
ハーレンの先の徒歩圏には同じくアトリエ5の設計のタルマットの集合住宅があります。
この2つの作品を見に行きます。

ハーレン01ベルン駅の裏手のバスターミナルです。4番のバス亭からハーレン方向へのバスが出ていました。

ハーレン03郊外へ向かうバスは空いています。駅に向かう方のバスは通勤客で満員でした。

ハーレン04ハーレンのバス亭です。

ハーレン14バス亭から歩いて緩い坂道を上がってゆきます。18年越しで見たかった建築がすぐそこに。

ハーレン15敷地に入ると素っ気ない感じの広場が広がり、斜面にそって広がる建築本体の側面が見えます。側面には地下駐車場の出入り口が開いていて、その横に居住者用のガソリンスタンドがあります。
ガソリンスタンドのある共同住宅は珍しいですね。

ハーレン16地下駐車場です。大きな梁を飛ばして無柱空間になっています。上部住居が低層なので可能となった空間なのでしょう。

ハーレン17ハーレン橋側の住居外観です。右の林の先は崖になっていて川に向かって落ち込んでいますので、各住戸の日当たりは抜群で、眺望もおそらく良い物と想像できます。

ハーレン18団地全体案内板です。下の道から林の中を通って上がってこれるようですね。1-53と55-77の間の通路を下から上がってゆくことにしました。

ハーレン19住民の子供達。
東洋人珍しさでずっとついて来ます。自転車で我々の廻りをグルグル走ってました。

ハーレン20団地中央のマーケット広場。団地育ちの私には懐かしい風景です。1階が商店で2階は住まいのようで、これも公団団地と同じ感じです。

ハーレン22部屋の外に「鯉のぼり」みたいな物を上げている家がありました。

ハーレン23窓のディテール。ガラスが直接壁にはまっていて綺麗です。

ハーレン24こちらは商店の2階の窓の様子。外付けブラインドでベランダごと覆えるようになっています。

ハーレン25
棟と棟の間の通路を上がってゆきます。
住戸の窓が所々ありますが、スチールサッシュの出窓のディテールが綺麗です。

ハーレン27
基礎の部分と壁の部分の厚みを変えて外壁デザインに加えています。上の部分の外壁はフカシなのでしょうか?設計図を見てみたくなりました。

ハーレン29
なだらかな丘の中程に建つ住宅ですが、ここは最上段の位置にある住戸と広場です。
グランドになっていて、写真左方向にプールがあります。

ハーレン30
冬場なのでプールはやっていませんが水ははってあります。
ベルンの夏は暑いのでしょうかね?
日本の公団住宅も昔の団地だと子供広場に幼児用プールがあったりします。プールが開かれると「夏がきたねえ」と感じた物ですが、ハーレンの住民のみなさんもそう思う事と想像します。

ハーレン31
プールの横にはバーベキューコーナーがありました。
こちらは最近使った形跡がありますので、冬でも住民の皆さんに使われているようです。
ちなみに、写真左手側に木々の生えた丘があり、その先は農地なのですが、木々に電飾が付けられていました。
夜はもしかすると点灯させて楽しまれているのかもしれないです。

ハーレン32
自転車のおかれた玄関ポーチ。
窓から中がちょっと見えて、階段のある様子が見れました。「のぞき」になるといけませんのでこの程度の望遠レンズまで。
建築を見る旅行の時は広角レンズを持参しますが望遠系は持参しません。この時は24mmから105mm程度のズーム1本です。

ハーレン33
猫も幸せそうです。

ハーレン34
右のコンクリート打放シの壁がプールの側面です。
左は各戸の玄関がならぶポーチ。薪がつんであります。

ハーレン35
各戸のドアはみなさん好きな色に塗装して良いようですね。とても綺麗です。
上が空いていますので、中庭に入る「門」としてのドアのようです。

ハーレン36

ハーレン37
さて、ハーレンの集合住宅を離れ、歩いて10分ほど離れたタルマットの集合住宅へ移動します。

ハーレン13
羊のいる小さな牧場を越えて歩きます。

ハーレン05
タルマットの集合住宅は第一期と第二期にわかれて建築されたそうですが、全体としてつながっているので一体に見えます。

ハーレン06
概ね3階〜4階建てで、1階部分はピロティや玄関、ガレージが点在していて迷路のような作りです。
真っ直ぐに通路が延びるハーレンとは対照的です。

ハーレン07
集合ポスト。
荷物置きのコンクリートの台が素敵。

ハーレン08
コンクリート打放シと粗野な木板外壁が表情を作っていました。
また、各戸玄関前には薪を積んであります。

ハーレン09
ピロティーには卓球台がありました。

ハーレン10
こちらは駐車場の屋上をグラウンドにした部分。

ハーレン11
オレンジの外付けブラインドが綺麗です。

訪れたのが3月ですから外壁をはうツタが枯れています。
春から夏場はこのツタに葉が出て綺麗に緑に覆われると思われます。(雑誌a+uで見た写真は緑に覆われていましたので・・)

以下に雑誌a+uから引用したアトリエ5のデーターです・・・・・・
a+u

アトリエ5は1955年にエルヴィーン・フリッツ、サミュエル・ゲルバー、ロルフ・ヘルスターベルク、ハンス・ホステットラーおよびアルフレート・ピーニの5人によって結成されました。
1930年代にル・コルビジェの事務所に居たハンス・ブレヒビューラーという建築家の事務所に1953年から1955年の2年間にアトリエ5の結成者5人の内4人が働いていたとの事。
1955年当時最年少は23歳、最年長が30歳程でル・コルビジェを共通の認識として共同設計し、ハーレンの集合住宅が計画されました。
コンセプトづくりから竣工まで6年を要し、1959年にハーレン着工、1961年に竣工した。 

タルマットの集合住宅1(1967年~72年)
タルマットの集合住宅2(1981年~1985年)グランドのある側

1969年に6人の新しいパートナーが参加、皆アトリエ5で10年以上働いメンバーでスタッフからパートナーへ昇格。
全員が概念設計から実施設計まで関わり、誰一人として特殊な仕事の責任者として専門家することは無い。

1976年ベルン裁判所コンペ招待、優勝1981年竣工
同年ベルン美術館コンペ招待、優勝1983年竣工
等々

ということで、ベルン市街地にもどり、1981年竣工の裁判所を見に行きます。

ベルン市庁舎01裁判所外観です。雑誌によっては市庁舎とも紹介されています。建物裏には拘置所(刑務所?)が併設されているところを見ると裁判所と市の施設の合同庁舎なのでしょう。古い建築を改装するコンペティションでアトリエ5が選ばれたものです。

ベルン市庁舎02正面の階段を上がって入ります。

ベルン市庁舎03ドアは観音開きの内開きですが、片方のドアだけ自動ドアとなっていました。

ベルン市庁舎04こんな感じでアームはドアを動かしています。結構早いスピードで開きます。元々のドアを自動化したものだと思いますが、日本だったら引き戸に改装してしまう事でしょう。「ドアにぶつかった」とクレームをするような野暮な市民は居ないのだろうと察します。

ベルン市庁舎05さらに階段を上がって入ります。

ベルン市庁舎09入り口横に受付がありましたので、内部の撮影可否を聞きました。共用部分はOKとの事。雑誌a+uで見た吹抜のスチール階段。

ベルン市庁舎10

ベルン市庁舎11

ベルン市庁舎12

ベルン市庁舎13最上階はカフェになっていました。窓から外を見ると・・・

ベルン市庁舎14拘置所or刑務所棟が見えます。小さな窓の中には収監されている人の顔が見えました。

パウルクレーセンター01さて、市庁舎を見た後は旧市街からバスに乗って郊外のパウルクレーセンターヘ。熊園の上の橋を渡って行きます。

パウルクレーセンター02レンゾ・ピアノ氏設計のパウルクレーセンターです。雑誌やwebで見る写真は建物しか写っていないので、現地を見て少々びっくり。高速道路の脇にあるのでした。

パウルクレーセンター03バスの終点で降りると細い小道に沿って進みます。木造の小さな管理事務所みたいな建物(右)を通り抜けると前方に見えてきます。

パウルクレーセンター04こんな案内版があります。

パウルクレーセンター05全景写真。このアングルは色々なメディアに出ていますね。

パウルクレーセンター06波形のエッジが建物から繫がりそのまま外構のデザインになってゆきます。

パウルクレーセンター08そのエッジが建物の廻りの外構をぐるっと回っているのですね。これは訪れて初めて知りました。入場前にまず外構を見て回ることにしました。

パウルクレーセンター09こんな風に塀になったりします。

パウルクレーセンター10こじんまりと管理室用のポストも建ってます。

パウルクレーセンター11美術館の後ろ側に「エッジ」にそって廻りました。後ろから見る美術館の様子です。なだらかな丘が連なる土地をモチーフにデザインされていう様子がわかります。

パウルクレーセンター12建物のほとんどは地下にあり、3つの人工の丘が地上に出てる形です。

パウルクレーセンター15そうは言っても搬入口は必要で、上手く処理されています。

パウルクレーセンター13正面のガラスのファサードには日よけが付けられています。

パウルクレーセンター14日よけのグレー色が工業的で美しいです。シルバーにしないところが大人っぽい。

パウルクレーセンター16正面エントランスです。いよいよ入場

パウルクレーセンター17受付で撮影の可否を聞いたところ共用部分はOKとの事で早速内部を見て回ります。

パウルクレーセンター18谷の部分を中から見たところです。正面入って左が美術館で右が小展示室になっていました。

パウルクレーセンター19ウエーブしたストラクチャーが室内を貫通してますが、鉄骨むき出し、といった感じではなく、表面はガルバリウム鋼板のようなシルバーの板金を折り曲げて覆ってあるようです。構造表現主義と感じるピアノ氏の建築ですが、関空の屋根やポンピドー横の施設のタイルもそうですが以外と表面は飾りの仕上げだったりして、「見せ方」の勉強になります。

パウルクレーセンター21こちらは地下にあるワークショップ用の部屋を共用廊下から見たところ。子供向けのなにかの教室を準備をしている様子が見えました。

パウルクレーセンター22そのワークショップを上階のカフェから吹抜を通して見下ろせます。

パウルクレーセンター23展示室は撮影不可ですのですが、そちらを見た後にエスプレッソで一休みしました。

バーゼルへ00さて、今や旬のスイス建築の宝庫といえばバーセルです。ベルンから電車で1時間半程度でバーゼルに着きます。本当はバーゼルに宿泊して周囲の現代建築を見たいところですが、この時(2010年3月)はバーセルでは世界的な時計と宝飾の展示発表会が行われていました。そのためバーゼルの宿はすべて一杯で宿泊予約の取れるところはありませんでした。そのため、ベルンから毎日バーゼルへ電車で通勤するような形で3日間を過ごしました。
写真はベルンから移動中の車窓に見えた小さな家。石川淳好みです。

バーゼルへ01
90年代に日本で大人気となったヘルツォーク&ド・ムーロン設計の代表作、バーゼルSBBのシグナルボックスを横切ります。

ロンシャン01さて、この日はバーゼルを通り過ぎてフランスのロンシャンへ。目的はもちろんル・コルビジェの礼拝堂です。華やかなバーゼルの駅の奧の方にフランス行きの列車の駅があります。形だけの国境審査ゲートを超えるとフランス行き列車の待合ホールがありました。非常に殺風景です。

ロンシャン02列車の案内版があります。時間は朝なのですが駅構内に人はあまりいません。

ロンシャン03フランスから列車が到着すると沢山の通勤の人達が下りてきます。フランス側からバーゼルへ多くの人が通勤しているようですが、バーゼル側からフランスへ通勤している人は少ないようです。

ロンシャン04バーゼルからミュールーズへ行き、電車を乗り換えてベルフォール(Belfrt)で下車。そこからはロンシャンまでタクシーで15キロほど。ロンシャンの町にも駅はあるようですが小さな駅のようでした。タクシーがもし居ないと悲劇なので、大きな駅であるベルフォールからタクシーで行く事に。真っ直ぐな道の先の丘の上にロンシャンの礼拝堂が見えてきました!

地図

ロンシャン05タクシーには1時間ほど待っていてもらって、左の小屋でチケットを買って赤い門を通って入ります。お土産などもこの小屋で売ってます。

ロンシャン06私は来るのは2回目で1999年以来です。一緒に行ったパートナーが訪れたことが無いという事で、これは行かねばなるまい、と言うことで再度やってきました。当時はまだデジカメの性能が悪かったので、あまり写真がありません。この時は撮りまくりました!

ロンシャン07ちなみに室内は撮影NGですので内部の写真はありません。

ロンシャン08

ロンシャン09

ロンシャン10敷地の裏手ではレンゾピアノ氏が設計しているビジターセンターの工事が進んでいました。礼拝堂からは見えないように地中に作られるようです。

ロンシャン11こちらビジターセンターの完成CG。丘を彫り込んで作られるようです。

ロンシャン12こちらは併設されている事務棟です。修道女のおばあさんが「どこから来たの?」と話しかけてくれ「From Japan〜」とやっていると、チョウチョが飛んできて、「オーパピオ〜ン」と声をあげておられたのがとても可愛らしかったです。

ロンシャン13こちらも脇にある管理人住居のようです。
やはりコルビジェ作品なのでしょうか?

ショーラガー01ロンシャン見学を無事完遂してバーゼルに戻ります。バーゼル駅からトラムに乗り換え15分。まず向かうのはヘルツォーク&ド・ムーロン設計のショーラガー美術館です。

ショーラガー04トラムの駅前でした。

L1020077雑誌に出ていたのを見た時は「谷口さんの丸亀の美術館に印象が似てるなあ」と思いましたが、現物はやはり別の建築ですね。

L1020078さて、せっかく来たのですが、この週はなんと休館!ダメ元でインターフォン越しに入れないか聞きましたがもちろんダメでした。

ショーラガー05という事で外のディテールの写真を撮ってお茶を濁して次に移動です。

ショーラガー03後ろはスイスのあちこちで見るスーパーマーケット「ミグロス」スイス滞在中は大変御世話になった店です。

ティンゲリー00さて、ショーラガー美術館は休館日でしたので気を取り直してマリオ・ボッタ氏設計のティンゲリー美術館ヘ移動します。トラムで一端バーゼル駅へ戻ってからバスに乗り換えてティンゲリー美術館の川の対岸のバス停へ移動しましたが美術館の前に駅がありました。

ティンゲリー011996年竣工のティンゲリー美術館です。ティンゲリーは廃材などを使って動く彫刻を作る作家で1991年に亡くなっています。バーゼルで美術を学んだという事でゆかりの地に美術館がつくられたのでしょう。

ティンゲリー01-2マリオ・ボッタ氏の設計ですが、氏の作品らしい赤いレンガの外壁が象徴的です。ちなみに、ヴォールト屋根の断面小口に白のトラスが見えますが、これは黒の面に貼り付けたように見えます。内部の構造体が外に出ているのか、飾りとして貼り付けているのか、見た目ではわかりませんでした。ポストモダン時代の名残を感じるディテールだなあと拝見。

ティンゲリー02室内の展示物は自由に撮影可能で、スイッチを押すと彫刻が動きだします。

ティンゲリー03

ティンゲリー04機械的であり、建築的でもあり、非常に楽しい展示です。

ティンゲリー05すべての展示室を見終わると、ライン川に面した回廊でエントランスへ戻る動線計画です。

ティンゲリー06この日は日も暮れてきたので、ライン川にそって遊歩道を歩いてバーゼル駅まで戻りました。

バーゼル市庁舎途中歩いていると赤い外壁のバーセル市庁舎がありました。普通の観光客ならこのあたりを見学するのでしょうけれど、我ら現代建築見学隊はパスです。

市庁舎前

シアター通りシアター通りを渡ってティンゲリーの彫刻のある噴水広場を横切ります。ここには劇場の他建築博物館もあるそうですが、この時はノーマークでしたので通過です。

バーゼル駅バーゼルの駅舎です。電車に乗って宿泊先のベルンへ帰りました。

つづきはスイス建築旅行2

株式会社石川淳建築設計事務所 東京都中野区江原町2-31-13第1喜光マンション TEL 03-3950-0351