ハンガリー建築旅行3
2025.11.20
2024年3月ハンガリー建築旅行
ハンガリー第2の都市デブレツェンから戻り旅の最終2日間にブダペスト市内を廻る様子です。

グーグルアースに写った渦巻きがそれで、「なんだろ?」と言うことで行きました。


なかなか良いアイデアで構成されていて楽しい施設でした。
遠くにペテーフィ橋が見えます。

竣工は2005年3月で設計者はブダペストのZoboki Design & Architecture。
ハンガリーではほぼ例の無い音楽系と美術系の複合施設との事。
音楽ホール・練習室・美術館等々が入っています。





この日はヴェラ・モルナール回顧展をやっていました。
ヴェラ・モルナールはハンガリー人メディアアーティストで、1924年生まれで2023年12月死去。
行ったのは3月でしたから、亡くなって2ヶ月を過ぎた頃でした。
ウィキペディアによると・・・
「モルナールは、コンピューター アートのジェネレーティブ アートの側面の先駆者であると広く考えられています。彼女は美術の実践にコンピューターを使用した最初の女性の 1 人」
との事。
パリを拠点に活躍されていたそうです。


数年前に東京で同じような表現を日本人アーティストが展示しているのを見ましたが、その草分け的な人がハンガリーに居られたことを知りました。

広々していて、1週間くらいは居たい感じです。

キッチンには食器や調理器具もそろっていて「生活できる」レベルですが食材を買って料理するには日数不足でした。

向こう側の建物もリビングが中庭に面しています。


私の感覚からすると、中庭に寝室を面させて道路側にリビングを配置しそうな気がしますが、逆なんですね。
共同住宅の数十戸がアパートタイプの客室で、フロント機能は1階の道路に面した店舗風の場所でした。24時間フロントに人も居るようでしたので困ることも無く過ごせました。
こちらがアパートのURL
https://novabudapest.com/


氏は教会建築が多いのですが、こちらはコンコルガン社ビルとの事。
イムレ・マコヴェッチ財団のHPで見つけました。
氏がビル物をデザインするとどうなるのかな・・・と興味があって訪れました。


低層を通常の街並みに合わせて作り、上層を新しいデザインにする手法が80年代後半から90年代にかけて日本では流行っていました。(皮切りは横浜馬車道の現損保ジャパンビルだと思います)
他の国でもそうだったのかと(むしろ海外から日本に入った手法なのか?)時代を感じました。
さて、企業ビルなので入れません。
マコヴェッチ財団のHPには室内写真があります。
https://www.makovecz.hu/epuletek/comporgan-irodahaz-budapest-viii/

こちらは途中の街並みで見かけた建築ですが、棟屋が独特ですね。

Y字路になった大きな二つの道路に挟まれています。

また地下鉄の駅もサンクンガーデンにつながっていて、とても良く出来た動線計画です。
地上に歩道デッキで解決する日本とは対照的。
地下を掘ってお金が掛かるけど街並みを大切にしていますね。






何処を撮っても絵になります・・・


2024年現在、ハンガリーはオリンピック誘致に向かってます。
そのため、駅は綺麗に補修や改修が行われているのだと思います。
さて、東駅を後にして次のターゲットへ街並みを見ながら徒歩移動です。

その途中でお屋敷街を通りました。




スマホ翻訳で読むと、それぞれの家のストーリーが解り、なかなか楽しめます。
今も実際に住んでいる家のようです。

地球の歩き方にも出ているほどレヒネル・エデンはハンガリーを代表する建築家です。
という訳でこの地質学研究所と郵便貯金局と工芸美術館(応用美術館)の3つは押さえどころです。
申し込めばガイドツアーもあるようです。

この後はトロリーバスに乗ってレヒネル作の住宅を見つつ市立動物園を目指します。

この家もレヒネル・エデン設計で1905年竣工で数日前に見学した市民公園の北側の道路に面して建っています。
レヒネル後期の作品でユダヤ人のシペキ・バラージュ氏のための家で現在は盲人協会が使っているとの事です。

この家も資料は非常に少なくて、それでもエクスナレッジのガイド本とLIXILが出版している「レヒネル・エデンの建築」に出ていて興味が湧いて見に来ました。
本に出ていた外観写真は古びていましたが、見学時は綺麗に修復されています。

エクスナレッジの建築ガイド本「世界の街並みガイド5」によるとハンガリー建築家のカロリー・コス(1883年ー1977年)の設計による鳥小屋があるとの事。また、複数の建築家によって様々な施設が作られていると記載があり立ち寄りました。
建築旅行で「動物園?」と思うところですが、ロンドン動物園のペンギンプールの例もあるので一見の価値あるかもと。
動物園や遊園地のハリボテ感は無くて、普通に建築として真剣に作られているように見えます。

こちらはハンガリー名物のマンガリッツア豚で霜降り率が高く2004年に国会で「国宝」に認定されたと。
でも、食用の家畜が動物園に居る訳で、日本的に解釈すると和牛が動物園で展示されてる感覚です。

本に出てる写真は全体像でなくて、塔の右側の丸窓部分の2階まで。
建物を探していて園の人にたずねても’???どこ?」といったリアクションでした。

モスクを模しているとの事で真剣勝負の建築でした。


撮影時は現地の午前11時頃だったのですが到着時は閉まっていて、ちょうどカギを開けて展示開始の時でした。


手が込んでます。

ゾウ小屋を満喫し次は建築ガイドにもある鳥小屋へ移動します。



1997年に記念建物に指定されたと記載があります。
海外で流行している記念碑的な動物園ではなくルーマニアのトランシルヴァニア派にみられる教会の鐘楼部を参考にしている形状との事です。

「ハンガリーは世界でも有数の温泉王国」と地球の歩き方に記載がありまして入って見ることに。

日本と違い水着を着て入るタイプで、手ぶらで来てもレンタル品があるようですが一応水着とサンダルを日本から持参してきました。

数人で使えるフェミリー用更衣室や電話ボックス程度の大きさの部屋など、数タイプの更衣室を選べました。表示されている181というのが私の更衣室の番号です。


ところで、ここはスマホ程度なら持ち込んで撮影してもOKという事だそうで、防水パックに入れて持ち込みました。
水温は28度で気温は14度。スイスで入った温泉も温度はこんな感じでしたので熱々で入る国は日本くらいなのでしょうかね?
ブダペストには有名な温泉施設が数カ所ありますが、ここは庶民的な温泉で「映え」を求めて自撮りするタイプの人達はいませんでした。(まだ春前だからかも・・・)

子供の頃にフジテレビの「なるほどザワールド」で見たような記憶があるような、無いような・・・

1号線は地下鉄として世界遺産に登録されています。
(ブダペストの地下鉄は旅行1日目で買った15日パスで乗り放題)
世界初の地下鉄はロンドンですがユーラシア大陸では初めての地下鉄ということで2番目に古いそうで、さらに電車の地下鉄としては世界初との事(ロンドンは蒸気機関車だったので)。


キップで乗るときはこれで入場時刻を打ちます。
ちなみに券売機は地上の歩道にあり、駅の中に券売機などは無くてメチャクチャスッキリしています。

電車のある深さから、階段20段ほど上がると地上です。
ドアは木製でアンティークな感じです。

地面と地下の天井の巾が土被り厚ですが1m無さそうな厚みです。
この厚みの梁で道路や通行車両の重量をささえているとはスゴすぎます。
工法は開削工法(地上から掘って、埋め戻し、またはフタをする方法)との事ですが、かなり驚きました。ちょっと怖いくらいです。


で、アパート近くにあった「カフェ・ニューヨーク」へ向かいます。世紀末のブダペストはウイーンと並んで中欧カフェ文化の中心だったとの事。
設計はハンガリー建築家のアラヨシュ・ハウスマン(Hauszman Alajos)で竣工は1894。
建築案内本で見つけたのですが地球の歩き方にも載っている観光スポットです。


ネットの記事によると待ち時間がスゴイとありましたがシーズンオフの3月の夕方なので待たずにすぐ案内してもらえました。


私はミントティーを飲みました。

地上レベルにあるカフェエ部分と上手く同線別けて計画されてました。

建築ガイド本にも記載のあるドハーニ通りのシナゴーグに到着です。
この日は既に閉館しているので、夜景外観だけ見て翌日再度訪れます。


こちらはロジャヴェルジ・ハーズ(店舗+住宅)で1911年竣工。
設計者はR.ベーラ(Lajta Bela)
レヒネルなどハンガリー独自の建築デザインからモダニズム建築への架け橋的建築家との事。
(出典 エクスナレッジ 世界の街並みガイド5)

1906年竣工のアール・ヌヴォー建築。
2階の大開口が総硝子窓で目を引きます。
頭頂部のモザイク画は「ハンガリーの栄光」という題名だとか。


夜景で見られてなおさら綺麗です。

真田広之さんのSHOGUN 将軍 の広告でした。

この日もヘロヘロに疲れました。


アパートをチェックアウトして荷物をフロントに預けた後はブダペスト市内で見落とし物件をハシゴして見て廻りました。で、写真はウーイ・シーンハーズ(新劇場)。
竣工は1909年で設計はレヒエルの弟子にあたるライタ(Laita Bela)です。

白い平坦なファサードと頭頂部のアールデコデザインの対比がとても効いています。
モダニズムの到来を感じル時代の作品ですが、2020年代の現在にも引用したい構成と思いました。



天井が豪華ですが過剰すぎず品ある色彩と感じました。

ドナウ川沿いを走り是非乗りたいなと考えていて、旅行最終の7日目に時間を作って乗りました。
写真は始発駅になるマリ広場乗り場です。
車窓を楽しみながらドナウ川を南下しました。


ひょうたん型の棟屋とペントハウスの窓の組み合わせがイイ感じ

足場シートに建物外観の絵が描いてあり、遠くから見ると・・だまされます。


「シナゴーグ」とはユダヤ教の会堂を意味する言葉。
ドハーニ通りのシナゴーグは欧州最大級の大きさで設計者はルートヴィッヒ・フォスター(Ludwing Forster )で竣工は1859年。
過去のハンガリーの経済・文化にはユダヤ人が大きな貢献をしていて、その勢力を表現する建築なのだそうです。
入り口でボディチェックを受けて入場です。

これは観光客用に入り口で配られたキッパです。

男性のみ、これをかぶります。



ユダヤ人の合理性を理解できたような気がしました。個人的には大発見です。
経済の中心にユダヤ人が多い事に納得できる発見でした。


前日夜にライトアップされ柵越しに見たものです。
で、これは、単なるオブジェではなくてホロコースト記念碑(生命の木)でした。

製作者はハンガリーを代表する彫刻家のウァルガ・イムレの作品との事。
パレスチナの事もあったりで色々考えさせられます。

写真は地下鉄4号線のKalvinter駅です。
前にも書きましたがブダペストの地下鉄1号線は世界遺産に登録され、世界で最初に完成した電車による地下鉄との事。
1号線は古風な駅が多いですが、4号線は近代的な駅が多く見て廻りたいと考えていました。
ちなみに4号線は2014年開業で1号線は1896年開業です。


躯体のコンクリートの間をエスカレーターが上がります。
どなたの設計でしょうか?振り切っていて気持ち良いです。


フランスのアルストム社製との事。
Wikipdediaによると4号線は自動運転だそうですが現地で運転手の有無には気がつきませんでした。
そう言われて見ると運転手らしき人影無いですね。


元共産圏だからか広告類が貼ってありません。
スッキリして見えます。

天井付近にハイサイドライトがあり自然光が入っていました。


大きな地中梁の下面に照明がはいってます。
ハンガリーではエスカレーターは左空けを多く見かけます。
というよりも、一人で乗る人で右利きの人が自然と右側に乗るので結果として左が空いている感じかも知れません。
一人で乗っているのに左側に居る人はほぼ見かけなくて、2人やグループは両側に乗っています。
我々世代が中学生か高校生時代に「西洋ではエスカレーターは片方空けて急ぐ人にあけるんですよ」とテレビで有識者の皆さんが言ってましたが、右利きが右に立つ現象をそのように解釈したのかもしれないですね。


左のピロティになっている所に地下鉄を見下ろすハイサイドライト窓があります。
さて、この後はお土産を買うために中央市場へ地下鉄4号線で移動です。

トップライトのディテールが美しい!
ガラスを支える鋼材が日本なら規格品を使うので荒い感じになりますが、ここは綺麗で専用設計に見えます。

梁が3層になっています。
東京のように地下鉄が13本もある訳ではないので一つ一つの駅にエネルギーが注がれています。
贅沢な作りです。

竣工は1897年で設計者はブダペスト工科大学の教授との事。
歩道沿いの回廊から入ります。

地下はスーパーマーケットになっていました。
訪れた時間は午後早目ということで1階はすいていました。
地元の買い物客は地下を多く利用するようです。
3月で観光シーズン前という事もあり市場の中は落ち着いていました。

ハンガリーではパプリカで味付けされている料理が多いので地元の人用からお土産用までパッケージが豊富です。


このあと地下のスーパーでお土産を少々買って、予約をしてあるレストランへ移動しました。

「世界の建築・街並みガイド5」に載っていたファソーリ改革派教会(ヴァーロシュリゲト通りのカルヴァン派教会)です。竣工は1913年。
同本によると設計者はアラダール・アルカイでブダペスト工科大卒業。
ちなみに・・・この教会はフィンランドのナショナルロマンティシズムから影響を受けているとの事ファサードがヘルシンキの国立博物館に似ているとか。(これも前記のガイド本から)
実はハンガリー語とフィンランド語は言語系統が同じなのだそうです。


さて、室内は改装中でした。
シーズンオフの3月ですから仕方がないですね。

おそらくポーランドでライセンス生産された個体ではないでしょうか。
フィアット125は1966年デビューで欧州カーオブザイヤー受賞の名車。
日本にも西武自動車が輸入していたそうです。
社会主義国で多くライセンス生産されたクルマで中東や南米でも多く走っているそうです。
さりげなく普通に乗ってる感じが素敵です。

空手も人気の模様。

ハンガリー名物のマンガリッツア豚のステーキが有名なお店です。
お店のURL
https://kiraly100.hu/king100restaurant/


ハンガリー名物のマンガリッツアブタのステーキです。
動物園で見たブタさんの記憶がよぎります。
食事を終わらせ、宿泊したアパートのフロントに預けた荷物を取りに戻り、空港バスへ乗車です。

ハンガリー旅行最終日はブダペスト市内で見落としていた所を廻りました。
翌日は朝4時半出発の便なので、夕方の内に空港敷地内にあるホテルに移動です。

一人2200フォリントでしたので1100円ですね。

街の配置もだいぶ理解した頃に去るのが残念です。

空港見学は翌朝することにして早速チェックインして就寝です。

左下の渡り廊下を歩いて空港と行き来します。

1週間の滞在を終えて2aターミナルの2階出発ロビーへ向かいます。

この写真はゲート内の空間です。
設計者は検索しても見つけられませんでしたがとにかく見学。
大きさとしては福岡空港くらいのイメージかなと思いました。

ちなみに座席指定は有料でブダペスト〜アムス間は1900円/人でアムス〜成田間で4900円/人です。
往復2人で座席指定すると2万8千円ほどアップです。
高いですねえ。。。。
窓側席を取って、離陸時にあわよくばブダペストの上空写真を撮りたいなと。

現金を使い切らないといけないので売店を物色(といっても機内持ち込みできる物でないと・・)


ブダペストだけ見て廻ったのが6日目と7日目でした。
高速鉄道が無いので地方への移動に少々時間がかかりましたが楽しい鉄道旅も経験できました。

鎖橋やマルギット島がはっきり見えます。
ハンガリー建築はもちろん、ハンガリー人の皆さんのシャイだけと親切な人柄も感じました。
お店で「クッサナム!」(アリガトウ)なんて言うと皆ニコッと微笑むところもちょっと良かったです。
さらばドナウ川。
終わり
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